前のリンク「ライトノベルの定義とは？」を読んで、とくに３番目の現在のライトノベルの境界線が難しくなっている部分について興味をもった。最近読んでハマっている西尾維新さんの小説はどうなんだろうと。ふつーのライトノベルと比較してみた。かなり無謀な試みです。
☆まずは外観から。
西尾維新の戯言シリーズ『クビキリ サイクル』講談社ノベルズ（左側）と、おかゆまさき『撲殺天使 ドクロちゃん』電撃文庫（右側）
amazon:クビキリ サイクル―青色サヴァンと戯言遣い
amazon:撲殺天使ドクロちゃん
新書と文庫サイズの違いは当然ある。
イラストはアニメ絵とは多少は微妙なとこがある『クビキリ・サイクル』絵：take、完全にコミックorアニメ絵の『撲殺天使ドクロちゃん』絵：とりしも （今後は前者をクビキリ、後者をドクロちゃんと略して表記。）
☆背表紙の比較。厚さが違う。クビキリ（左側）、ドクロちゃん（右側）
☆中身
・クビキリ単体。
本文は２段組、３７９ページ。文章の間に挿絵はないが、章の扉ごとにイラストが掲載されている。こちらは表紙より遥かにアニメ、コミック調そのものですね。
・ドクロちゃんは章ごとはもちろんの事、挿絵も頻繁にあり。４コマ漫画までも！
本文は段組なし、２５０ページ。
ほぼ会話文がメインになっている。一行で終わることが多く、空間が大きい。
☆ストーリーや文体についてはどうか。
・クビキリのあらすじ
財閥令嬢の住んでいる孤島があった。そこへ５人の天才達が招待される。主人公いーちゃんは天才のお供として付いていく。そこに集まった一癖もふた癖もある招待客。そして『首斬殺人』が連続して発生する。成り行き上、いーちゃんは犯人探しに関わっていく。
冒頭の一部。
哲学してるぅー。 天才とは何か？で、まず惹きつけられました。
その後は重かったり、軽かったり、絶妙なバランスな文体かと。
極端な部分として「うにー いーちゃん！」というギャルゲーチックな口癖を使ったりする方が。しかも「ひかりちゃん、僕様ちゃんもジュース欲しい」って。 この一人称今度使いたいものだ（やめれ）
キャラクター描写も多く、かなり独特な言動をしたり、ライトノベル的なエッセンスを取り入れたミステリー小説といえよう。
・ドクロちゃんのあらすじ。
「ぴぴる ぴるぴる ぴぴるぴ〜♪」謎の復活の呪文を使う一人の天使。彼女は主人公の部屋に居候し、何度も少年を撲殺しては、呪文で再生をおこなう。これには理由があるわけだが…。
はじめに主人公の紹介が７行ほどあり、次の文章が掴みの部分です。
インパクトのある冒頭であります。ライトな文体、オタク的なネタの仕込み方といい、アホらしさ最高で痺れました。ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪
結局のところ、クビキリはライトノベルに近い一般的なミステリー小説なのかなぁ。
☆上は比較対象が強烈すぎた。
そこで比較を西尾維新の同じく戯言シリーズ「クビツリハイスクール」講談社ノベルズと、ライトノベル代表として上遠野浩平「ブギーポップは笑わない」電撃文庫とした。
内容からして学園、殺人、異能者。いろいろと共通点がある。
イラストは上のクビキリ以降は、完全にコミック、アニメ絵調に（同じtake）。ブギーポップは、イラスト緒方剛志。
厚さはほぼ同じ。クビツリ１９５ページ、２段組。ブギーポップ２８３ページ、１段組。
クビキリは学園の武装美少女によるバトルそして密室殺人。一方、ブギーポップは学園の生徒たちを中心とした群集劇。異常な殺人事件そして、青春物。
なにが違うのか、訳が分からなくなりました。ライトノベルって何。あまり深く考えるな！なのか。
『漫画やアニメ風の表紙や挿絵があるならライトノベル』だと、田中芳樹センセーのかなり偏った政治風刺小説「創竜伝」も、CLAMPイラスト版だとライトノベルとなってしまう。 また文章がみっしり詰まっていると定義しようとしたら、最近発売した森博嗣の「Φは壊れたね」は２段組じゃなかった。うーむ。
結論としてはやっぱり、コメント欄でいただいた『あなたがライトノベルと思うものがライトノベル』 長々書いてこの結末(´･ω･`)
☆まずは外観から。
西尾維新の戯言シリーズ『クビキリ サイクル』講談社ノベルズ（左側）と、おかゆまさき『撲殺天使 ドクロちゃん』電撃文庫（右側）
amazon:クビキリ サイクル―青色サヴァンと戯言遣い
amazon:撲殺天使ドクロちゃん
新書と文庫サイズの違いは当然ある。
イラストはアニメ絵とは多少は微妙なとこがある『クビキリ・サイクル』絵：take、完全にコミックorアニメ絵の『撲殺天使ドクロちゃん』絵：とりしも （今後は前者をクビキリ、後者をドクロちゃんと略して表記。）
☆背表紙の比較。厚さが違う。クビキリ（左側）、ドクロちゃん（右側）
☆中身
・クビキリ単体。
本文は２段組、３７９ページ。文章の間に挿絵はないが、章の扉ごとにイラストが掲載されている。こちらは表紙より遥かにアニメ、コミック調そのものですね。
・ドクロちゃんは章ごとはもちろんの事、挿絵も頻繁にあり。４コマ漫画までも！
本文は段組なし、２５０ページ。
ほぼ会話文がメインになっている。一行で終わることが多く、空間が大きい。
☆ストーリーや文体についてはどうか。
・クビキリのあらすじ
財閥令嬢の住んでいる孤島があった。そこへ５人の天才達が招待される。主人公いーちゃんは天才のお供として付いていく。そこに集まった一癖もふた癖もある招待客。そして『首斬殺人』が連続して発生する。成り行き上、いーちゃんは犯人探しに関わっていく。
冒頭の一部。
「他人を自覚的に意識的に踏み台にできる人間ってのは、なかなかどうして怖いものがあるよな」
そうだろうか。
ぼくには、無自覚で無意識で他人を踏みつけていく人間の方が、善意で正義で他人を踏み砕いていく人間の方が、ずっと怖いように思えるけれど。
「へえ。はは、さてはお前、いい奴だな？」
軽く笑われてしまった。
ぼくがいい奴なのかどうかは、しかし幸いなことにこの場合あまり関係ない。多分これは、考え方の違いではなくて、生き方そのものの違いだろう。他人を踏みつける必要もなく存在している人間と、踏み台としてすら存在していない人間との、絶対的で絶大的な差異。結局、そういうことだろうと思う。
たとえばスタイルを持たない画家。
たとえば辿り着き切った学者。
たとえば味をしめた料理人。
たとえば超越し過ぎた占い師。
あの島にいた彼女達はあまりにも違いすぎた。
哲学してるぅー。 天才とは何か？で、まず惹きつけられました。
その後は重かったり、軽かったり、絶妙なバランスな文体かと。
極端な部分として「うにー いーちゃん！」というギャルゲーチックな口癖を使ったりする方が。しかも「ひかりちゃん、僕様ちゃんもジュース欲しい」って。 この一人称今度使いたいものだ（やめれ）
キャラクター描写も多く、かなり独特な言動をしたり、ライトノベル的なエッセンスを取り入れたミステリー小説といえよう。
・ドクロちゃんのあらすじ。
「ぴぴる ぴるぴる ぴぴるぴ〜♪」謎の復活の呪文を使う一人の天使。彼女は主人公の部屋に居候し、何度も少年を撲殺しては、呪文で再生をおこなう。これには理由があるわけだが…。
はじめに主人公の紹介が７行ほどあり、次の文章が掴みの部分です。
今日も僕は、自分の部屋のふすまをノックしないで開けてしまいました。
ちょっと前まで僕一人の部屋だったから。部屋の中ではちょうど僕と同じくらいの年齢の、小柄でめちゃめちゃ可愛い少女が服を着替えていました。
しかも素敵な部分がばっちり見えるアングルで。
「…………！」
「…………！」
お互いが違う理由で絶句したあと絶叫しました。
「いやああああああああああん！！」
「うわああああああああああ！！ ドクロちゃん結構着やせ……！」
僕の叫びは、その少女が突き出した鉄の棘がたくさん付いた鋼鉄のバットで中断されました。
彼女が僕の側頭部をその凶器でおもいっきり殴ったのです。
＜ぼぐじゅあああ！！＞という音がして飛び散る脳髄、吹き飛ぶ目玉、地肌を残したままの髪の毛が、だらり、と窓に張り付きました。
インパクトのある冒頭であります。ライトな文体、オタク的なネタの仕込み方といい、アホらしさ最高で痺れました。ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪
結局のところ、クビキリはライトノベルに近い一般的なミステリー小説なのかなぁ。
☆上は比較対象が強烈すぎた。
そこで比較を西尾維新の同じく戯言シリーズ「クビツリハイスクール」講談社ノベルズと、ライトノベル代表として上遠野浩平「ブギーポップは笑わない」電撃文庫とした。
内容からして学園、殺人、異能者。いろいろと共通点がある。
イラストは上のクビキリ以降は、完全にコミック、アニメ絵調に（同じtake）。ブギーポップは、イラスト緒方剛志。
厚さはほぼ同じ。クビツリ１９５ページ、２段組。ブギーポップ２８３ページ、１段組。
クビキリは学園の武装美少女によるバトルそして密室殺人。一方、ブギーポップは学園の生徒たちを中心とした群集劇。異常な殺人事件そして、青春物。
なにが違うのか、訳が分からなくなりました。ライトノベルって何。あまり深く考えるな！なのか。
『漫画やアニメ風の表紙や挿絵があるならライトノベル』だと、田中芳樹センセーのかなり偏った政治風刺小説「創竜伝」も、CLAMPイラスト版だとライトノベルとなってしまう。 また文章がみっしり詰まっていると定義しようとしたら、最近発売した森博嗣の「Φは壊れたね」は２段組じゃなかった。うーむ。
結論としてはやっぱり、コメント欄でいただいた『あなたがライトノベルと思うものがライトノベル』 長々書いてこの結末(´･ω･`)
つーことで、個人的には「アニメ化されそうな（された）小説がラノベ」ってのを提唱しようかと（笑）。いや、かなり表現がキツいラノベもありますが、アニメの方も地上波でモザイクかかったグリグリやら、ヒロインがヤられる（らしい。読んだことないんで）ジンキやら、♪う〜でが飛び散るババンバン あ〜しがもげ散るババンバンなエンフェリートやらがアニメ化された（される予定な）んで大抵のものなら大丈夫だろうと（笑）。
関係ないですが、ゲームのノベライズはラノベに分類されるようですがエロゲのノベライズはどうなるんでしょう？いや、どっちでもいいんですが（笑）